レインフォレスト・アライアンスは、認証保有者の皆様が2020認証プログラムにスムーズに移行できるよう、確実に支援していくことを重視しています。しかし一方で、認証プラットフォームとトレーサビリティ・プラットフォームに様々な改良点が導入され、2020基準にも新たな要件が追加されているうえ、新型コロナウイルス感染症の世界的な影響がなおも継続していることから、一部のパートナー企業の皆様にとって移行が困難になっていることも認識しています。
これらの点を鑑み、また関係者の皆様からいただいたご意見を拝聴したうえで、農場認証保有者の移行期間を延長することにいたしました。新しい基準を完全に導入して実践できるよう、十分な時間を取ることがその狙いです。また、皆様の移行手続きをさらに支援していくための組織体制も整えました。
これまでに4,000以上の農場とサプライチェーン関係者がレインフォレスト・アライアンスの認証を取得して、気候変動や生物多様性の損失に立ち向かい、人権保護と農業生産者の暮らし向きの改善を目指す活動を率いています。
新しい移行スケジュール
農場認証保有者にとっては、次のことを意味します。
- 農場認証保有者が2020基準の主要要件の実践に重点的に取り組めるよう、移行期間を1年間延長します。
- 農場認証保有者には、2023年7月1日から本認証周期を実施することが義務付けられます。
- 初回の移行審査の期間を2022年9月30日まで延長します。これにより、農場認証保有者が手続きを完了するための時間が長めに確保されます。
- バナナ生産者は、初回の移行審査を2022年12月31日までに、2回目の移行審査を2023年12月31日までに完了する必要があります。
すでに移行審査に合格した農場認証保有者は、2回目の移行審査でも同じ主要要件に対して審査を受けます。これにより、2023年7月1日からの本認証周期の要件に向けて準備するための時間が長くなります。
農場認証保有者のスケジュール変更に関する情報の全文はこちらでお読みください。
サプライチェーン関係者に関しては、これまでの予定どおり、本認証周期を2022年7月1日から開始します。これにより、パートナー企業の皆様が自社にとって関連性の高いリスクベースの審査(必要に応じて実地審査も含まれます)を開始することができます。また、サプライチェーン関係者が移行手続きを完了するために移行審査が必要となる場合は、その期間を延長しました。
サプライチェーン認証保有者にとっては、次のことを意味します。
- 移行審査の完了期日を、要請に応じて2022年9月30日まで延長します。
- 移行審査が必要な企業は、認証またはライセンスの延長を要請して、移行手続きを完了することができます。
- 移行審査を必要とせず、移行審査の手続きをまだ開始していない認証保有者は、2022年7月1日以降、検証水準に応じた審査のスケジュールに則って3年間の認証周期を開始します。
- 2021年、サプライチェーン認証保有者の皆様に対し、それぞれの周期の期日を6か月延長して移行認証手順を完了できるようにする対応を導入いたしました。合併前のライセンスの延長を求める個別の要請が多数あったため、レインフォレスト・アライアンスでは、合併前のすべてのサプライチェーン・ライセンスを2023年3月31日まで延長することにしました。審査は2022年12月31日までに実施しなければなりません。認証保有者は、不適合を解決して、その旨を認証機関に伝える必要があります。これにより認証が発行され、レインフォレスト・アライアンスが2023年3月31日までの新しいライセンスを付与できるようになるため、認証が途絶えずに継続するようになります。サプライチェーン認証保有者のライセンスは、自動的に2023年3月31日まで延長されています。
- バナナのサプライチェーン関係者は、移行審査を2022年12月31日までに完了する必要があります。
農場認証保有者のスケジュール変更に関する情報の全文はこちらでお読みください。
認証保有者への支援強化
レインフォレスト・アライアンスでは、2020認証プログラムに移行する認証保有者の皆様を確実に支援していくため、移行期間の延長に加え、様々な努力を講じています。これには、次の取り組みが含まれます。
- 認証保有者がレインフォレスト・アライアンス認証プラットフォーム(RACP)への登録を完了するための重点的な支援と研修を提供しています。
- リソースを追加して、認証保有者からの質問に迅速に対応すべく努めています。
- リソースを追加して、レインフォレスト・アライアンスの森林破壊リスク分析を支援し、審査に遅れが生じないようにしています。
- 認証保有者が実施に際して最も困難を来たしがちな要件に的を絞った詳細な研修を提供しています。これには、次のものが含まれます。
- 農場認証保有者向け:団体構成員登録、地理的位置情報、事前評価対処方式、生活賃金給与マトリクス、総合的病害虫管理、サステイナビリティ差額(SD)とサステイナビリティ投資(SI)
- サプライチェーン認証保有者向け:トレーサビリティ、サステイナビリティ差額(SD)とサステイナビリティ投資(SI)、小売業者の認証
- 農業生産者のニーズに合わせて調整した追加的な研修教材を開発しました。
レインフォレスト・アライアンス認証プラットフォームの改善
- 必要な言語を選択するためのオプションを改良しました。
- 組織と認証範囲を組み合わせた登録方法を簡素化しました。
- 情報表示を明確にしました。
- ダッシュボードのデザインを刷新して、ユーザーが完了しなければならない作業を分かりやすく表示し、研修教材や手引きに簡単にアクセスできるようにしました。
- レインフォレスト・アライアンスのプラットフォームのバグ修正を担当するリソースを追加しました。
文書とツールの使い勝手の向上
- 次の基準ツールを単純化しました。
- 団体構成員登録
- 認証申請書
- 次の基準文書と手引きを単純化しました。
- 一般的指針(General Guide)を更新し、数か国語の翻訳版を作成して、手引きの実践に役立つ統一的な簡易マニュアルを提供しています。
- 付属文書を基準の章ごとに統一し、より簡潔にまとめました。
- 認証保有者が実施に際して困難を来たしがちな基準の要件に関して、国や作物の違いを考慮した手引きを必要に応じて策定しつつあります。これにより、要件が首尾一貫して解釈され、より効果的に実践されるよう、支援を提供していきます。