レインフォレスト・アライアンス認証では、有機農法であることは義務付けていません。
レインフォレスト・アライアンスは、過去30年以上にわたり持続可能な農業を広めるために活動してきました。持続可能な農業とは、環境にとって健全で、社会に対する責任を果たし、かつ農業生産者に利益をもたらす農業です。私たちの認証プログラムは、持続可能性の4つの主な領域に対応するのに役立ちます。
認証農園は、レインフォレスト・アライアンスの持続可能な農業基準を遵守します。これに含まれる環境の規準では、土壌と水質の改善、化学肥料と農薬の使用削減、生物多様性の保全、気候変動への適応と影響の緩和を推進しています。
私たちの基準の基本にある総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)の考え方では、病害虫が経済的な損害をもたらしている場合に安全な農薬を限定的に使用することを認めています。レインフォレスト・アライアンスのIPM戦略が目指しているのは、農園が自然な方法(殺虫剤使用は最後の方法として)で病害虫を管理するための効果的な計画を立てられるよう支援し、生態系の適応力を高めていくことです。これには、生産者が生物学的な代替方法を可能なかぎり使用して、全体的な農薬使用を減らすことが求められます。私たちの基準では、最も有害な農薬、また現地の適用法令で禁止された農薬や当該国で合法に登録されていない農薬の使用は、厳密に禁止しています。さらに、遺伝子組み換え作物(GMO)も禁止しています。
レインフォレスト・アライアンス認証で病害虫管理活動に関与する労働者は、IPMと農薬の使用方法に関する適切な研修を受け、個人用保護具を着用しなければなりません。また、農作物を保護するために農薬の使用がどうしても必要だと判断した場合は、利用可能な中で最も安全な製品を使用し、人間の健康と環境を守る対策を講じなければなりません。レインフォレスト・アライアンスの基準では、農薬や他の化学物質に接触する、または散布、取り扱い、運搬に携わる労働者すべてに対して、安全性に関する具体的な研修を施すことを義務付けています。農薬や化学物質の性質と健康へのリスク、適切な取扱方法、保護具の使用方法、誤って接触した場合の緊急時の措置などを説明する研修です。また、農薬に携わる労働者が全員、少なくとも年1回、健康診断を受けることを義務付けています。
レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準は、農薬をあまり使わなくても済む適応力に優れた農業生態系の実現に向けて大小様々な農園が前進していくための現実的かつ効果的な方法をもたらしています。